九九式軍偵察機

九九式軍偵察機はもともとは地上部隊支援の襲撃機として開発された機体で、九九式襲撃機として中国大陸からマレー半島、ビルマ、フィリピン、インドネシアなどの南方戦線まで広い範囲で活躍した。

九九式軍偵察機諸元

九九式軍偵察機

エンジン空冷14気筒 三菱ハ26-Ⅱ(離昇馬力940HP/2,650r.p.m 公称馬力950HP/2,300m)
最大速度424km/h
航続距離1,060km
全幅12.10m
全長9.21m
主翼面積24.20㎡
自重2,798kg
全備重量3,762kg
上昇時間5,000mまで8分47秒
実用上昇限度8,270m
武装翼内7.7mm機関銃(八九式固定機関銃)×2(前期型)、翼内12.7mm機関砲(ホ103)×2(後期型)、後方7.7mm旋回機関銃(テ4)×1
爆弾200kg
乗員2名

九九式軍偵察機 こぼれ話

九九式軍偵察機はもともと地上襲撃機(九九式襲撃機)として開発された機体で、不整地からの出撃もこなせることから固定脚を採用していた。また、引き込み脚だと脚収納スペースが必要となるので、翼内燃料タンクの容量が制限されてしまう。さらに、最前線での整備負担を考えると固定脚はコストパフォーマンスに優れた選択だった。

ところが、生産のみ行っていた満州飛行機も、設計の力を付けさせようと言うことになり、実績のある九九式軍偵察機及び九九式襲撃機の性能向上型を設計することとなった。主な改良点は、エンジンを離昇出力1,300馬力のハ112に換装し、脚を引き込み式にするというものだった。しかし、大きなエンジンと引き込み脚は重量増加による上昇力や航続力の低下をまねき、改良前の性能とわずかしか違わなかったため、改良計画は中止となった。