陸上哨戒機(東海)
陸上哨戒機(東海)は、対潜水艦の捜索と攻撃の両方を任務とする哨戒機である。日本近海を哨戒任務としているため航続性能は求められないが、磁気探知機を使用するため低速で飛行することができるよう設計されている。
陸上哨戒機(東海)諸元
エンジン | 空冷9気筒 日立天風三一型(離昇馬力610HP) |
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最大速度 | 322km/h(高度1,340m) |
航続距離 | 1,343km |
全幅 | 16.00m |
全長 | 12.09m |
全高 | 4.12m |
主翼面積 | 38.2㎡ |
全備重量 | 5,332kg |
実用上昇限度 | 4,490m |
武装 | 20mm機銃×1、7.7m機銃×1 |
爆弾 | 250kg(対潜爆弾)×2 |
乗員 | 3名 |
陸上哨戒機(東海) こぼれ話
陸上哨戒機(東海)は磁気探知機である三式一号探知機を搭載した対潜捜索と対潜攻撃を目的とする沿岸哨戒機で、九州南西沖、五島西方沖を作戦活動域とした。陸上哨戒機(東海)に求められた性能は、できるだけ低速で長時間洋上を飛行できる能力と急降下爆撃性能である。エンジンは整備性の良い信頼性の高い日立天風エンジンが選ばれ、操縦士、電信員、偵察員兼射手の3名は機首のガラス張りキャビンに集中し、操縦士と偵察員は並列に並んだ。
胴体下面に250kg対潜爆弾を2発搭載し、スロッテッド・フラップをエアブレーキのように使用して75度での急降下爆撃ができるように設計されていた。生産は各型合わせても153機にとどまったが、千歳、三沢、能代、横須賀、小松、美保、水島、博多、宮崎、上海に広く配備されていた。それだけ日本近海は敵潜水艦の跳梁を許していたということになる。