九七式飛行艇
川西航空機が設計製作した機体である。海軍は川西を飛行艇メーカーとして育てる意思を持って、前作の英国ショート社設計の九○式二号飛行艇の製作を命じ、続いて設計、モックアップのみの八試飛行艇を経て、九試大型飛行艇(九七式飛行艇)へと繋がる。
九七式飛行艇二三型諸元
エンジン | 空冷14気筒 三菱金星五三型(離昇馬力1,300HP/2,600r.p.m 公称馬力1,100HP/6,200m) |
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最大速度 | 385km/h(高度6,000m) |
航続距離 | 4,940km(正規)6,771km(過荷) |
全幅 | 40.0m |
全長 | 25.63m |
全高 | 6.27m |
主翼面積 | 170.0㎡ |
自重 | 10,340kg |
全備重量 | 23,000kg |
実用上昇限度 | 9,560m |
武装 | 20mm機銃×1、7.7mm機銃×4 |
爆弾 | 60kg×12または250kg×4あるいは800kg魚雷×2 |
乗員 | 9名 |
九七式飛行艇 こぼれ話
九七式飛行艇の長大な航続力と大きなペイロードを利用して九七式輸送飛行艇が誕生した。合計38機が製作され、海軍が20機使用し残りの18機は民間の大日本航空が運用した。日本から南太平洋のトラック島、チモール島方面にまで航空路が伸び、東宝映画「南国の花束」でもその活躍ぶりが紹介された。